EOSジャパン社と粉末樹脂3Dプリンターの後処理工程におけるアライアンスを締結

(▲アイキャッチ)
株式会社YOKOITOのAM関連事業部門であるYokoito Additive Manufacturing(以下、YAM)と、粉末積層造形のグローバルリーティングカンパニーであるEOS Electro Optical Systems Japan株式会社(以下、EOSジャパン)は、日本国内でのPolymer Additive Manufacturing(以下、樹脂AM)の普及を促進するため、「粉末樹脂3Dプリンター造形品の仕上げ工程の自動化および表面処理技術」について協力して普及を図ることで合意いたしました。このアライアンスにより両社は、粉末樹脂3Dプリントの仕上げ工程における生産性・安定性の向上およびクオリティーの向上を目指し、国内における樹脂AMの普及を促進していきます。

▲左よりEOSジャパン Countory Manager 橋爪康晃氏、YOKOITO代表取締役CEO 中島佑太郎氏、DyeMansion社 Region Director APAC Jingyi Yuan-Steiner氏(Formnext 2022にて)
完成された後処理システムが国内初上陸。樹脂AMエコシステムがついに完成
先日Formnextにて発表したDyeMansion社とのパートナーシップにより、粉末樹脂3Dプリンターの造形品に対する一貫した後処理(パウダークリーニング、表面処理、染色)システムが国内に初上陸することとなります。これにより国内のEOS社粉末樹脂3Dプリンターユーザーは、これまで課題であった造形品の表面仕上げについての強力なソリューションを初めて獲得することが可能となります。このことは3Dプリンティング技術により、シームレスかつ射出成形品に近いクオリティーでの適時適量な生産を可能とする、樹脂AMエコシステムの完成を意味します。

EOS社とDyeMansion社はグローバルにおいてすでにパートナーシップを結んでおり、EOS社粉末樹脂3Dプリンターの造形品に対するDyeMansion社のテクノロジーによる後処理は評価済みであると同時に、すでに数多くの事例が存在します。そのため国内のEOS社粉末樹脂3DプリンターユーザーはDyeMansion社のテクノロジーを導入することで、すぐさま造形品への効果的かつ生産性の高い後処理加工を行うことが可能となります。
DyeMansion社テクノロジー紹介

現在DyeMansion社の提供するクリーニング・表面処理・染色までの一連のポストプロセス技術からなる、”DyeMansion Print-to-Productワークフロー”では、パウダーベッドフュージョン(粉末床溶融結合法:粉末材料を焼結して積層する3Dプリンターの造形方式)3Dプリンターで造形した部品の表面の粗さを最大限に抑え、射出成形品と同等の表面品質を実現します。
また同時に、気密性や耐摩耗性の向上など、物性そのものの機能向上までもを可能にします。
現在YAMにて取扱中のDyeMansion社ポストプロセスシステム:
・Poweshot C(クリーニングシステム)
PBF3Dプリント品の自動ブラスト処理をわずか10分で可能にします。
中規模から大規模に3Dプリント品を造形する環境において、造形品の粉落とし作業に必要な時間と生産の人員を大幅に削減でき、生産性と品質安定性が劇的に向上します。
・Powershot S(表面処理システム)
独自のポリショットサーフェイシング(PSS)技術により、PA12やPA11などの硬質プラスチックの表面の凹凸を均等化し、より均一な表面品質を実現することにより、様々な形状の表面処理を可能にします。バレル研磨のような時間のかかる研磨方法とは異なり、自動かつワンサイクル10分という短時間での表面処理を可能にし、3Dプリント品の品質向上を効率的に実現します。
・Powerfuse S(表面処理システム(蒸気研磨システム))
エコフレンドリーな溶剤を用いることにより安全に造形品の表面処理を行い、射出成形品と同等の表面品質を実現。同時に造形物の気密性や耐摩耗性など多くの性能を向上させます。溶剤は自動的に回収されるため、化学廃棄物がなく持続可能性の高い、環境に優しいシステムとなっています。
・DM60(染色システム)
標準的なカラーデータベースから、オーダーメイドカラーまで使用が可能な染色システム。パントーンなどのカラーチャートに基づいた170を超える色に加えて、企業のコンセプトカラーやトレンドカラー、個々の肌の色まで様々な色調を作成することが可能です。
他、新製品も随時取扱開始予定。
今後の活動
EOSジャパンとYAMは、樹脂AMプロセスの普及においては3Dプリンターのみではなく、後処理加工まで含めたエコシステムとしての導入が進むことが重要であるという理解で一致しており、両社は緊密に情報交換を行いながら協力して国内市場において粉末樹脂3Dプリンター向け後処理技術および樹脂AMの普及に普及に取り組んでまいります。
※本発表は販売契約または代理店契約などを示すものではありません
EOS Electro Optical Systems Japan株式会社 Countory Manager 橋爪康晃
Yokoito Additive Manufacturingと協働することで、ポストプロセスに対する新たなご提案が出来るようになりました。YAMと共に製造技術としてのAMが持つ可能性を広げ、お客様が新たなイノベーションを生み出すお手伝いができるよう努力してまいります。
株式会社YOKOITO 代表取締役CEO 中島佑太郎
粉末樹脂3Dプリント技術(SLS)に関する先駆的企業であり、造形品の品質と生産性をなにより大事にするEOSジャパン社と連携して、国内のユーザー様向けにSLS造形品のポストプロセスを提供かつ、弊社も同じくユーザーという立場から運用をサポートさせていただくことは、今後の国内において樹脂AMが広く普及につながり、より高付加価値かつ自由なものづくりが広がっていくきっかけとなると確信しております。